横川理彦×外山明@高円寺ペンギンハウス

 少し遅れて到着した頃には、すでに佳境に入っていて、ギターはうなるしドラムはバコバコ。って、ボキャブラリーのなさが窺える表現ですが、予想していたものと全然違って、楽しいのなんの。横川さんがパソコンでリアルタイムに音をサンプリングしているのも、興味深かった。音をダブらせることで、ひとつひとつの音の先端が鈍くなり、音が全体に拡散していく。で、その音の洪水から浮かび上がろうと、また新しい音とリズムが生まれる。てなぐあいに追いかけっこしているような感じ。自分の音と共演したり、自分の音に追っかけられたりするのって、どんな気分だろう? 

 たぶん二人とも、性格が明るいのだろう。どんなに繊細な演奏をしていても、ピリピリした感じはまるでない。次の一手を狙うより、今ここにある音をいじって遊ぶほうが大事、ってことか。横川さんは大きくリズムをとって微細に音を描いていくタイプ、外山さんは細かく変形したリズムを刻みながらおおらかなメロディーを感じさせるタイプ、というふうにある意味対極的なのだけど、この“楽しむ”というモードでは一致しているから、馴れ合いになることなく同じモチベーションを持てるのだと思う。ともかく、こんなに楽しく、こんなに刺激的なライブを観ることができて幸せだった。

 にしても、「これが1番だからー」と、言って聞かせるように独りごちながら機械いじってる横川さんは、ちょっと可愛かった。んで、それを「ふーん」と眺めながら、エフェクトかけたマイクでサンプリングネタを提供して遊ぶ外山さんも、なんかもうホントに(笑)。。