eEYO idiot@曼荼羅2

 eEYO+外山明+かわいしのぶ+デニス・ガン
 メンツ的な興味もありつつも、女性ヴォーカルに二の足を踏んでしまうというヘンな癖によりおあずけにしていたイーヨ。幸い仕事も片づいたし、一度行ってみよう!と思い立ってみた。

 ……おもしろい。こんなに自由にやってて、なおかつ崩れないってのはスゴイことなんじゃないだろうか? どっかの国の童謡みたいな可愛いポップスに、素っ頓狂なギターと、お茶目なベースと、相変わらず手数の多い変則ドラムが絡む。ビー玉ぶちまけたみたいにカラフルな音が好き勝手に転がっていく感じ。楽しいなー。

 イーヨは、小動物みたいな可愛さのある人で、ついつい目が吸い寄せられる。歌の途中にMCを入れたり、「もう一回アタマに戻っていい?」とか言いだしたり、とにかく何でもアリ。そんなフリーキーさもまた楽し。

 MCでイーヨが「ホントは4小節とか8小節とか関係なく好きにやりたくて、外山クンは“やっちゃえばどうにかなるよ!”って言うんだけど、デニスが“ダメ!”って言うから……」なんて言っていたけど、これってインタビューで外山さんが言っていた「何回繰り返したら次に行くように、とか譜面で言われても、なんで?と思ってしまう」っていうのと凄く似てる。で、かわいしのぶもそんなタイプ。気持ちよければ決め事もアリだけど、決め事だから守らなきゃってワケじゃないよ、というスタンス。イーヨは自分の体感を即時的に出す人で、外山明はそれを受け止めたうえでどうなったら面白い?自分はどうしたい?ってのを見つける人、かわいしのぶはそんな2人を眺めながら時々度肝を抜く人。……と、方向性は違うのだけど、基本的には同類なんだなあ。

 一方、デニスはかっちり組み立てて、整然と事を運ぶことを楽しむタイプ。まあ4小節・8小節の話に関して言えば、彼のリフがそもそも4小節単位とか8小節単位とかだから、守ってくれなきゃ困るよー!ということもあるのだろうけど、枠組みを維持するタイプだ。ただ、それが決して窮屈ではないのは、そもそもの枠組みに隙間があってラフな部分を残しているからだろう。以前、戸川純バンドのライブで、純ちゃんが「ともすればインプロに流れがちだけど、ちゃんとポップスというのはカッチリやらなきゃいけない」と言っていたけど、それに通ずるものがあるなあと思う。そういや、その時のギターも、彼。デニスさんってば、我が道を行く異次元な女性ヴォーカルのサポートがお上手なのね。

 というわけで、本当にいい気分のライブだった♪ お手製のCDも買って帰ったけれど、やっぱ音の出方がライブの足元にも及ばなくて、こりゃあまた観に来るしかないなと思った次第。余談だが、外山さんのドラムの音をきっちりパッケージングできるのは、ZAKをおいて他にいない、と思う。