V∞REDOMS“LOIVE” @ラフォーレミュージアム六本木

 ハッピー&ラブリーなクリスマスイベント。てなコンセプトとは想像だにせず、ただフラフラと思いつきで向かった六本木・ラフォーレミュージアム。会場はすっかりメリクリ仕様で、溶け込めないままフロアをウロウロ。

 入ってすぐのところにバーとDJブースがあって、踊ったり飲み食いしたり休んだりという空間。で、奥の扉の向こうにステージがある。が、このDJがやたら音でかくて、ステージ周辺にいても聞こえてしまうのに閉口。環境悪い。バーも手際悪くて、無駄に長い行列ができている。しかも品切れ続出。お客さんはみんなお行儀良かったけど、コレは怒るだろ普通!

 さておき、ライブ開始。今回は30分×2部構成。1部は、合唱隊を引き連れてのアレンジ。コーラスの荘厳で少し不協和音気味なシンフォニーが、V∞REDOMSの突き抜け感をいい具合に演出しているのは面白い。ただ、荘厳さ故のかっちりした感じが、個人的にはイマイチ物足りず。出音の弱さも一因。あの空間を音で満たすには、たぶんアレの倍くらいの規模の合唱隊が必要だったんじゃないか? まあ現実的には難しいんだろうけど。というわけで、決して悪くはなかったものの、乗り切れない無念さが残ったライヴだった。

 が、第2部が素晴らしかった。1人ずつ増えていって最終的に4人編成。山塚アイのアゲっぷりが凄まじく、ヨシミちゃんの冷静な切れっぷりもカッコイイ。このバンドの大黒柱だ、この人は。まあ、ボアダムスに関してはあまりライブ経験がないので、こんなもんだよ!とか、もっとすげーよ!という意見もあったのかなかったのか分からないけど、わたしは燃えましたよ。VJもなかなか面白い。細野晴臣ときたろうが向かいあってお辞儀するの図、アレ何だったんだろう??

 V∞REDOMSの3ドラムって、和太鼓に似ている。重ねて響かせることで出るグルーヴ感というか。土着的というか、肉体的というか、プリミティヴというか。。ドラムは、皮が薄くてスティックも細いぶん、繊細なプレイが出来るわけで、そうなるとミュージシャンとしては、より複雑にリズムを構築する方向に行くのが自然なのだろうけど、あえてリズムの輪郭を鈍らせて前へ前へと押しだしている感じがする。それと今回(も?)、ステージの周りを透明のパネルで囲んでいたのだけど、それのせいもあったのかもしれない。音がダイレクトにこちらに伝わらず、ループするように聴こえるのが、これまた面白かった。輪郭をぼかすというか、音をドバっと束ねてうねらせるというか、そうすることでもたらされるトランス状態というのは、浸ってみると気持ち良いものでした。

 というわけで、非常に楽しかったです。後追いじゃ入り込めないかな?という妙な心配もあり、レイヴ仕様というか踊る人仕様というかな感じにも馴染めず、これまで腰が引けていたボアダムスだけど、わたしでも大丈夫かもしれない!と思えたクリスマス・イヴの夜でした。