しばらくネタ溜め込んで一気に吐き出そうと思っていたが、何を書こうとしてたのか忘れちゃったな…。

 目下お気に入りはDNA。つい先日リリースされた全スタジオ音源(ファースト7インチ・シングル、コンピレーションに提供した各種音源など)やライブ音源などをガシガシに詰め込んだ決定盤。リアルタイムをほとんど知らないので、まっさら耳で聴いているのだけど、なんか怖いですね、この人たち。ビート感はないし、音もチープ。ですが、偏執狂的なリピートといい、キレまくりのヴォーカルといい、鋭いギターといい、カッコ良すぎ。共有するとか分かち合うみたいなハッピーな気分を真っ向から蹴散らすようなジャリジャリした音は、飲み込むには少々エグ味を覚えますが、それが不思議と気持ちいい。特にライブ録音のギターは圧巻!です。メロディー書かせたらあんなに繊細なのにね、アート・リンゼイって。

 がっかりだったのが、キルスイッチ・エンゲイジ。なんか注目度が高かったし、今のヴォーカリストはけっこう好きだからどんなものかと思ったけれど、可もなく不可もなく。どうということはなかった。相変わらず大上段に構えない、カジュアルなメタル。このバンド、2作目でずいぶん分かりやすい音をきちんと出していて、ああメジャーに行っても大丈夫だなと思っていたのだけど、どうも決め手に欠けるかも。メタルのかっちりした音に、ハードコアの無軌道さを持ち込むのがこのバンドの本懐であるはずなのに、それをあまりにもマジメにやりすぎていて、行儀良すぎ。それでもバンドとしては安定しているし、たぶんニーズのある音なんでしょうけどね。

 ボストンからカリフォルニアに移ったハードコアレーベル、ハイドラヘッドは、なぜかサイトへのアクセスがスムーズにいかなくてどういう状況だかイマイチ分からなかったりするのだけど、以前から応援していたココの“KEELHAUL”というバンドの新譜がけっこうお気に入り。頭グルグルになるくらいリピートを多様し、複雑なリフと変拍子を適度に入れるという、一部では定型化した(ほとんどBOTCHな…)カオティックハードコアですが、このバンドの音は酩酊感を誘います。やたら複雑な音を出そうと頭でっかちになってしまうのは、このテのバンドにはよくあること。そこがまたマニア心をくすぐるわけですが(たぶん…)、彼らはプラス肉感的なのです。ライブ観たいんだけどなあ〜。

 ところで、宇多田ヒカルの次の作品に、マーズ・ヴォルタのドラムが参加とか。何故かムカムカするのは私だけ?