5月17日(月) 林・外山・内橋

 「今日はすべて完全に即興なので、みなさん覚悟してください(笑)」という林さんのMCで始まった今日のライブ。今回はゲストとして古澤良治郎氏も加わって、ツインドラムというか師弟対決(外山さんの師にあたる人なので)と相成った。
 さすがに序盤からテンションが高く、一分の隙もない。といっても、しゃかりきになって音を出しまくっているというのではなく、あくまでも流れを大切に…。展開には性急さがなく、繰り返しの中にちょっとした突然変異が起こって、次のステージに進む。面白かった。途中、古澤さんVS外山さんの掛け合いがあったのだけど、これがまるで冗談でも言い合っているかのような感じ。突拍子もないことが起こるわけではなく、びっくりするような激しい展開があるわけでもないのだが、予定調和には終わらない発想の豊かさが確かにあって、ほお〜!とか、へえ〜!とか、ははは!という感じで聴けるのが楽しかった。第二部の途中には、古澤さんはスネアを外して口に当ててブーブー鳴らしてるし、外山さんは携帯の着信音で応酬してるし。
 内橋さんは、ギギギ…と引っ掻いたような音を出したり、物凄いスピードでカッティングをしたりしつつ、時々泣きたくなるほど美しいコードを奏でていて、そこに絡む林さんのメロディーもめちゃめちゃグッとくるものだったりして、そんな心和む一瞬も局所にあった。
 即興というのは、そこにある音に対してどんな音をぶつけるか、その一瞬ごとのやり取りで成り立っているものだから、聴き終わってみると、30分や1時間という長い時間をかけて出された音の集積がイメージとして残るだけで、具体的な音の記憶はほとんど残らない。でも、そのイメージというのが強烈な体感を伴っているために、またアレを味わいたい!と思うのだろうな。
 まあそれはともかく、先日のイカルスラインといい、今日のコレといい、何だかもう老い先短いんじゃないかと思うくらい音に恵まれているここ数日のわたし。しつこいようだが、イカルスラインはホント、素敵だった。
 今日はただひとつ残念だったのが、…というか気のせいかもしれないのだけど、外山さんの方のドラム、マイクが拾う音が弱かった気がする。微妙な音色の違いなどがうまく聴き取れなかったのは私だけ? 少し後ろの方に設置されていたようだから、かな?