5月2日(日) 山下洋輔@新宿ピットイン

 メンバーは昨年のフジロックと同じく、山下洋輔(P)、外山明(Ds)、水谷浩章(B)。天候も音も悪かった苗場のリベンジである。客入りは、渋さ知らズほどではないにせよ、満員! 年配の人や若いカップルが多く、独りでモソモソ聴きに行くような人はいつもに比べて少なかった気がする。後ろのおばさまたち、隣の兄ちゃんたちが、まるで示し合わせたように「こういう所に独りで来る人って、いるのかしらねえ?」「独りじゃさすがに来れねえよな」なんて話していて、少し居心地が悪くなる…。そんなもんかな? EXTREME THE DOJO行ってみな。ピットインなんて楽勝だと分かるから。
 まあそれはともかく、ライブはとにかく素晴らしかった。山下洋輔って、そりゃあここで私がどうこう言う余地もないほど凄いピアニストなのだけど、良くも悪くも理知的で、ジャズもクラシックもよく分からない私にはどうしても腰が引けてしまうという印象だったが、この3人だと不思議と楽しく聴ける。外山・水谷が、山下の音楽を最大限にリスペクトしつつ好き勝手やり放題。受け止める山下の包容力はさすがだし、どんどん新しいアイデアを出す外山も、それをさりげなくフォローする水谷もうまく機能している。凄かったなあ〜。外山のドラミングには拍手喝采だったのが嬉しかったし(ふだんのライブではあまり見られない光景なので…)、実際、あのプレイはどう言葉を尽くしても語りきれないくらい面白く、かつ奥深いものだったと思う。
 最後に山下洋輔が「このトリオはこれからあちこちに出没します」と言っていて、嬉しくなる。また近いうちに観られることを期待しよう。